相続放棄をするメリット

相続放棄の目的と言えば「借金を相続しない」というイメージですが、実はそれ以外にいくつかメリットがあります。

以下では相続放棄するメリットをご説明します。

1．借金を相続しない

相続放棄すると、借金を相続せずに済みます。

被相続人がサラ金やカードローンなどを利用していて死後に突然債権者から連絡が来たら驚いてしまうものですが、相続放棄さえすれば解決可能です。

被相続人の借金を引き継いでしまっても、究極的には自己破産すれば負債を免れることは可能です。

しかし「税金」や「健康保険料」などの一部の負債については、たとえ自己破産しても免責されません。自己破産後も支払い義務が残ってしまいます。

相続放棄ではこうした自己破産でも免除されない債務も放棄できるので、大きなメリットがあります。

相続人同士の折り合いが悪く、遺産分割協議が難航しそうなケースがあります。

遺産分割は相続人全員が合意するまで終わらないので、時には調停や審判などに発展してしまったり、トラブルが非常に長引くこともあります。このような場合、遺産相続にあまり関心のない相続人も関与せざるを得ません。

相続人や相手の弁護士や裁判所からさまざまな連絡が来て、プレッシャーもあり煩わしく思う方もおられるでしょう。

相続放棄してしまえば、その人ははじめから相続人ではなかったことになるので、相続トラブルには一切巻き込まれることがありません。

遺産を相続すると、いろいろな手間がかかります。まずは相続人調査として大量の戸籍謄本類を集めなければなりませんし、相続財産調査も必要です。遺産分割協議がまとまったら遺産分割協議書を作成し、その内容にもとづいて不動産の登記や預貯金の払い戻しなども行わねばなりません。

遺産が少額なケースや遺産に関心を持たない方の場合、こうした遺産相続の手間を負担に感じる事も多々あります。

そのような場合、相続放棄さえ受理されれば一切相続手続きに関わらなくて済みます。

たとえば、親が亡くなって子ども達が相続人となった場合で家を継ぐ長男に相続してもらいたいなど、特定の相続人に遺産を集中させたいケースもあります。そのようなとき、他の相続人が相続放棄をすれば、相続人を一人にすることができます。

相続放棄のメリットは、借金の相続回避以外にもいろいろあります。関心を持っているけれど自分の場合に相続放棄すべきかどうかわからない方など、お気軽に司法書士までご相談ください。