先日、テレビを見ていると某コメンテーターが、父親の遺産について放棄していると発言していました。その父親はまだご存命です。
「相続放棄」の申述は、相続発生前にはすることができませんので、もしかしたら、家族内で「すべての財産をもらわない・放棄する」と約束でもしているのでしょうか。それを「遺産について放棄している」と言ったのかもしれません。
ただし、あくまでも約束事になり、これには法的拘束力はありません。
では、生前に特定の相続人に一切の財産を残さないとするためにはどうすればいいのでしょうか。
まず、イメージされるのは遺言書を作成することだと思います。
遺言に特定の相続人に財産を相続させる旨や第三者へ遺贈する旨を書いておく。
(最近ではゆかりのある市へ多額の寄付をしたニュースもありましたね。)
これで万全!!
・・・では、ありません。
兄弟姉妹以外の相続人には『遺留分』があります。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の相続人が最低限相続できる相続分のことで、この遺留分を「放棄」させる必要があります。
遺留分の放棄は、相続放棄の申述とは異なり、家裁の許可を得れば「相続が発生する前」でもすることができます。
ただし、1 放棄が本人の自由意思に基づくものであること
2 放棄の理由に合理性と必要性があること
3 放棄の代償を受けていること
この3つの要件を満たしていることが必要であり、家庭裁判所が判断します。
遺留分の放棄は、放棄する本人自らがする必要がありますので、ご家族でよく話し合いをすることが必要になります。
このように、『遺言+遺留分の放棄』によって、生前に特定の相続人に一切の財産を残さないこととすることは可能ですが、財産を残してもらえなくなる相続人の協力が不可欠になりますので、少しハードルが高いかもしれませんね。

遺産相続や遺言書の作成は、多くの人にとって一生に一度あるかないかの大きな出来事です。
何から手をつければいいかわからない、専門的な手続きが難しそう、といった不安を抱えるのは当然のこと。
私たち「ほつま相続相談所」は、そんな皆さまの「身近な専門家」として、大阪市浪速区や兵庫をはじめとする関西圏の皆さまをサポートしてきました。
初回相談は無料。複雑な手続きも、分かりやすく丁寧にご説明します。
「誰に相談すればいいのだろう?」と悩んでいらっしゃるなら、まずは一度、お話を聞かせてください。
皆さまの疑問や不安に寄り添い、最適な解決策を一緒に見つけていきます。
相続手続きや遺言書作成に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。